ものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠とは?審査に通過する方法も解説
「ものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠について詳しく知りたい」
「ものづくり補助金の審査に通過するコツを知りたい」
ものづくり補助金にはいくつか枠がありますが、その中に製品・サービス高付加価値化枠というものがあります。第18次ものづくり補助金から登場した枠で、その詳細がわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠について、補助金支援会社FDWORK代表山本が解説します。FDWORKはこれまでものづくり補助金の審査通過率100%を誇っています。ものづくり補助金についてどこよりも詳しく把握していますので、ぜひ参考にしてください。
なお本記事は、中小企業庁のものづくり補助金公募要領(第18回)をもとに執筆しています。より詳しい内容を知りたい方は、公募要領をご確認ください。
◎ものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠とは
◎製品・サービス高付加価値化枠の応募条件
◎製品・サービス高付加価値化枠の審査に通過する方法
ものづくり補助金製品・サービス高付加価値化枠の概要
ものづくり補助金の公募要領には、以下のような記載があります。
◼ 通常類型 革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援します。
◼ 成長分野進出類型(DX・GX) 今後成長が見込まれる分野(DX・GX)に資する革新的な製品・サービス開発※の取組みに必要な設備・システム 投資等を支援します。
※ 革新的な製品・サービス開発とは、顧客に新たな価値を提供することを目的に、導入した設備・システムを用いて、自社の技術力等を活かして製品・サービスを開発することをいいます。単に設備・システムを導入するにとど まり、製品・サービスの開発を伴わないものは該当しません。また、業種ごとに同業の中小企業(地域性の高いも のについては同一地域における同業他社)において既に相当程度普及している製品・サービスの開発は該当しません。
おさえておきたいポイントとしては、以下の2点です。
- 顧客に新たな価値を提供することを目的とすること
- 単に設備・システムを導入するだけではダメ
つまり要約すると、何か新しい製品やサービスを作るために必要な設備・システム投資などのために、補助金を使う必要があるということです。また今後成長が見込まれる分野(DX・GX)かどうかで、どちらの類型に申し込めるかが変わってきます。
基本要件
ものづくり補助金の基本要件は、以下の3つが定められています。
①給与支給総額年平均成長率1.5%以上増加
②事業場内最低賃金が地域最低賃金+30円以上
③付加価値額年平均成長3%以上増加
これらの要件をすべて満たす3~5年の事業計画書を作らなければなりません。
また基本要件とは別に、製品・サービス高付加価値化枠には、以下の要件も追加されています。
◼ 通常類型・■成長分野進出類型(DX・GX)共通
(1)3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の 10%以上となる事業計画を策定すること
(2)本事業に係る資金について金融機関(ファンド等を含む。)からの調達を予定している場合 は、金融機関による事業計画の確認を受け、金融機関による確認書を提出いただく必要があります。金融機関は、事業所の所在地域にある必要はございませんので、任意の機関を選定 してください。
◼ 成長分野進出類型(DX・GX)
(2)DX:DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること GX:グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サー ビスの開発であること
※1 DXに資する革新的な製品・サービスの開発とは、例えば、AI、IoT、センサー、デジタル技術 等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発 (部品、ソフトウェア開発を含む)等をいう。
※2 グリーン成長戦略「実行計画」14分野とは、令和3年6月18日付で策定された「2050年カーボ ンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、「実行計画」が策定されている14分野を いいます。分野毎に「現状と課題」として記載のある「課題」の解決に資する取組であること が必要となります。14分野のうちどの分野のどの課題の解決に資する取組であるかあらかじめ ご確認ください。
令和3年6月18日付「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」 (概要資料) https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/pdf/green_gaiyou.pdf (本体資料) https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/pdf/green_honbun.pdf
この中で特に注意が必要なのが(2)の「本事業に係る資金について金融機関(ファンド等を含む。)からの調達を予定している場合 は、金融機関による事業計画の確認を受け、金融機関による確認書を提出いただく必要があります。」という箇所です。金融機関によっては確認書の提出に数週間かかる場合があります。そのためできるだけ早く金融機関と話をして、確認書の入手に必要な日数を調べておく必要があります。
必要な日数が判明したら、締切日から逆算して事業計画書を仕上げ、金融機関に確認をお願いしましょう。すべて早め早めで対応することが重要となります。
さらに以下の条件をすべて満たしている場合、新型コロナ回復化特例に該当します。
(1) 常時使用する従業員がいること
(2) 2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用してい る従業員が全従業員数の10%以上いること
(3) 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額が 1.5%以上増加目標を達成していること
(4) 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での事業場内最低賃 金が地域別最低賃金+50円以上の水準を達成していること
どの類型で申し込めばいいかわからない場合は、一度FDWORKにご相談ください。
補助上限・補助率
補助上限額と補助率は、以下のように決められています。
通常類型
補助上限額 | 補助率 |
5人以下 100万円~750万円 6~20人 100万円~1,000万円 21人以上 100万円~1,250万円 | 中小企業 1/2 小規模・再生事業者 2/3 新型コロナ回復加速化特例 2/3 |
成長分野進出類型(DX・GX)
補助上限額 | 補助率 |
5人以下 100万円~750万円 6~20人 100万円~1,500万円 21人以上 100万円~2,500万円 | 中小企業 2/3 小規模・再生事業者 2/3 |
対象経費
製品・サービス高付加価値化枠の対象経費は以下の通りです。
- 機械設置・システム構築費
- 運搬費
- 技術導入費
- 知的財産権等関連経費
- 外注費
- 専門家経費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
設備投資は、単価50万円(税抜)以上の投資をすることが義務づけられています。機械設置・システム構築費をメインとして、その周辺に関わる経費が申請できると覚えておきましょう。
どんな企業が製品・サービス高付加価値化枠に向いているか
製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援するための補助金です。そのため新規事業など何か新しいことを始めたいと考えている企業におすすめです。
既存事業の省力化・効率化を実施する場合は、省力化(オーダーメイド)枠の利用がおすすめです。
新規事業を考えているという企業の方は、ぜひ一度FDWORKにご相談ください。
ものづくり補助金製品・サービス高付加価値化枠の審査に通過するコツ
これまでの内容を踏まえて、ものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠の審査に通過するコツをまとめています。
- 新サービスであることをアピールする
- スケジュールには余裕をもって準備しておく
- 口頭審査の準備をしておく
新サービスであることをアピールする
製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な製品・サービス開発の取組みに対する補助金です。審査項目にも、以下のような点が追加されています。
(2)技術面
製品やサービスの開発が革新的であるか、課題に対する解決の方法が明確で具体的かを評価します。既に世の中 に普及している技術の導入や設備導入のみによって容易に達成でき、技術革新性が低い事業は、低い評価を受ける 傾向があります。また、「1-1-1事業の目的」に沿わない事業は対象外となります。
つまり他社がやっていない新サービスができれば、高い評価を受けられる可能性が高いです。ここで言う他社がやっていない新サービスは、何も日本で唯一である必要はありません。例えば〇〇県で唯一、半径10キロ以内の商圏で初導入のような場合でも問題ありません。自社の商圏で革新的なサービスであることをしっかりアピールしましょう。
スケジュールには余裕をもって準備しておく
金融機関からの融資を利用する場合、書類提出時に金融機関の確認書が必要になります。金融機関によっては確認書を出してくれるのが数週間かかる場合があるので、スケジュールには余裕を持っておく必要があります。
例えば第18次ものづくり補助金の場合、書類の締切は2024年3月27日です。この場合遅くとも3月半ばには事業計画書を完成させて、金融機関に承認を申請しておいた方がいいでしょう。
締切に間に合わなければ、せっかく書類を作っても意味がありません。できるだけ早めに事業計画書を完成させ、スケジュールには余裕を持っておきましょう。
ただし実際事業計画書を作ってみるとわかりますが、事業計画書に書くべきことは多く、完成させるのは大変です。確実に期日に間に合わせたいのであれば、FDWORKのような補助金申請支援会社に相談してみることをおすすめします。事業計画書作成のプロに任せたほうが、時間が大幅に削減できますよ。
口頭審査の準備をしておく
第17次ものづくり補助金から、一定規模以上の申請を行う事業者を対象に、オンラインでの口頭審査が導入されました。所要時間は1事業者15分程度です。そのため外部の申請支援会社に依頼した場合でも、事業計画書の内容を理解しておく必要があります。
口頭審査に関しては、以下のような記載があります。
審査は申請事業者自身(法人代表者等※)1名が対応してください。当該事業者において勤務実態がない者、事 業計画書作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問等の申請事業者以外の方の対応や同席は一切認めません。
そのため基本的には法人代表者が審査に対応する必要があります。ちなみに弊社FDWORKでは、口頭審査へのサポートも実施しています。事業計画書の内容を事前にレクチャーする、事前のQ&A作成などの対策を実施しております。安心してご相談ください。
ものづくり補助金申請サポートはFDWORKへ
ものづくり補助金製品・サービス高付加価値化の概要を理解しても、審査にクリアしなければ絵に描いた餅です。製品・サービス高付加価値化枠は要件が多く、公募要領を理解するだけでも難易度が高いです。そして事業計画書作りでは、審査項目・加点項目を盛り込む必要があります。実際にやってみるとわかりますが、それらはとても難易度が高いです。
そのためFDWORKのような支援会社に、事業計画書作りを依頼することをおすすめします。FDWORKではヒアリングをもとに事業計画書を作るので、御社がかかる時間は10時間程度です。事業計画書作りはプロに任せて、新規事業に集中しましょう。
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