ものづくり補助金のデジタル枠とは?審査に通過する方法も解説
「ものづくり補助金のデジタル枠に申請しようと考えているが、デジタル枠に当てはまるかわからない」
「デジタル枠の審査に通過する方法が知りたい」
ものづくり補助金にはいくつか枠がありますが、その中で補助率が2/3でなおかつ申請しやすいのがデジタル枠です。しかし事業がデジタル枠に当てはまるか、申請が通るかどうかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ものづくり補助金のデジタル枠について、補助金支援会社FDWORK代表山本が解説します。FDWORKはこれまでものづくり補助金の審査通過率100%を誇っています。ものづくり補助金についてどこよりも詳しく把握していますので、ぜひ参考にしてください。
なお本記事は、中小企業庁のものづくり補助金公募要領(第16回)をもとに執筆しています。より詳しい内容を知りたい方は、公募要領をご確認ください。
◎ものづくり補助金のデジタル枠とは
◎デジタル枠の採択事例
◎デジタル枠で採択されるためには
ものづくり補助金のデジタル枠とは
ものづくり補助金の通常枠は補助率が1/2に対し、デジタル枠は2/3。つまりデジタル枠で申請したほうが、多く補助金を受け取れます。
そしてものづくり補助金のデジタル枠は、基本要件に加えて以下の要件を満たす必要があります。
(1)次の①又は②に該当する事業であること。
①DXに資する革新的な製品・サービスの開発
②デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善
(2)経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や
課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
(3)独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「 SECURITYACTION 」の「 ★ 一つ星」または「 ★★ 二つ星」いずれかの宣言を応募申請時点で行っていること。
ものづくり補助金公募要領(第16回)
このうち(2)と(3)については、申請すればどの会社でも対応できる内容です。そして(1)の要件ですが、これも多くの企業で当てはまるケースが多いです。
例えばITシステム、センサー、工場の検査機械(画像処理センサー)なども(1)の対象です。新たな機械・システムを導入する場合、近年の機械設備はほとんどこの要件を満たしています。そのためデジタル枠での申請要件は、クリアできることが多いです。
デジタル枠独自の加点項目
またデジタル枠には、デジタル枠独自の加点項目が設定されています。
②-4:デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ)
A.経営の方向性及びデジタル技術等の活用の方向性の決定
a.デジタル技術が社会や自社の競争環境にどのような影響を及ぼすかについて認識、その内容について公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
b.上記a.を踏まえた経営ビジョンやビジネスモデルを策定・公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
B.上記A.の経営ビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略を公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
C.上記B.の戦略を推進するための体制・組織(CIO(最高情報責任者)、CISO(最 高セキュリティ責任者)の配置、担当部門の配置等)を示し、公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
D.「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」(688~ 690 行目/Ver.2.3 以降の場合はシート「IT システム構築の取組状況(定量指 標)」の 11~13 行目)を全て記載
E. 申請時点において、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」※を利用している か。 ※独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリ スト」に掲載されているサービス https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/otasuketai/#list
ものづくり補助金公募要領(第16回)
このうちEの項目は取得がかなり難しいので、ほとんどの会社が加点できません。一方A~Dは加点しやすいので、積極的に狙うことをおすすめしています。ただしA〜Cはホームページでの公開が条件なので、ホームページがない場合加点できません。
デジタル枠でなく通常枠の方がいいケース
デジタル枠は要件を満たしやすく、加点項目も加点しやすいです。そのため多くの場合、デジタル枠での申請をおすすめしています。一方デジタル枠でなく、通常枠の方がいいケースというのも存在しています。
- 小規模企業者、小規模事業者、再生事業者に該当する
- 会社のホームページがない
小規模企業者、小規模事業者、再生事業者の場合、通常枠でも補助率が2/3です。そのためわざわざデジタル枠で申請しなくても、通常枠での申請で問題ありません。
またホームページがない場合、先述のデジタル枠独自の加点項目が満たせません。加点項目をクリアできなくても採択される可能性はありますが、採択率はどうしても落ちてしまいます。そのためホームページがない会社の場合は、通常枠での申請をおすすめすることが多いです。
デジタル枠の採択事例
弊社FDWORKでは、デジタル枠での採択事例が多数あります。一例として、以下のような企業がデジタル枠で採択されました。
- 高性能なデジタルカメラにより撮影した画像を、AIにより画像処理して不良品を見つけ出す機械設備の導入
- 膨大なビッグデータを収集し分析するシステム開発
いずれもAI・ビッグデータのような最新技術を用いることが、デジタル枠に適合すると申請しました。その結果採択につながり、補助金を受け取っています。
デジタル枠で採択されるコツ
ここまでの内容を踏まえて、デジタル枠で採択されるコツをまとめています。
- 審査員が最先端と納得するキーワードを入れる
- 審査項目・加点項目をしっかり理解する
- 主観的ではなく客観的な視点で見る
- 他社の採択事例を参考にする
審査員が最先端と納得するキーワードを入れる
デジタル枠の申請要件には「DXに資する革新的な製品・サービスの開発」という文言が記載されています。これはつまり審査員が最先端の技術(DX)と感じてもらえるかどうかということです。
2023年11月現在であれば、AI、ビッグデータ、レーザー技術、位置情報などのキーワードがトレンドです。このようなキーワードを盛り込んで、最先端と納得してもらえれば、デジタル枠に該当すると見なされるでしょう。
審査項目・加点項目をしっかり理解する
審査項目は全て、事業計画書に反映させなければなりません。そのため多数ある審査項目を全て理解しておく必要があります。それぞれの審査項目について確認し、自社であればどのようにクリアできるかを考えてみましょう。
また先述のように、デジタル枠には独自の加点項目があります。デジタル枠で採択されたいのであれば、この加点項目も満たしておく必要があります。
そして実際やってみるとわかるのですが、自社だけで全ての審査項目・加点項目を理解する難易度は高いです。しかし「自社では審査項目・加点項目をクリアできないと思っていたが、プロから見るとクリアできる」そんな状況も多々見受けられます。審査項目・加点項目の理解が難しければ、一度FDWORKにご相談ください。プロのサポートがあれば、審査に通ることも多々ありますよ。
ものづくり補助金の審査項目・加点項目については、下記記事で詳しく解説しています。よろしければこちらも合わせてご覧ください。
主観的ではなく客観的な視点で見る
事業計画書は主観的でなく、客観的な視点で書く必要があります。「この機械を導入すれば、売上アップにつながる」と言われても、審査員は納得しません。
事業計画書を書くときは「〇〇を導入すると、従来より商品生産のスピードが20%上がり製品のクオリティも高くなります。〇〇を導入している企業は長野県にはまだなく、他社に先駆けて導入することで、市場での優位性が作れます。結果として売上が10%上がる試算です。」のような客観的な視点が重要です。
また最先端の技術が導入されていることも、客観的な視点で説明しなければなりません。事業計画書を書くときには、主観的でなく客観的な視点を大切にしましょう。
他社の採択事例を参考にする
ものづくり補助金のホームページでは、他社の採択事例が紹介されています。事業計画書も公開されていますので、参考にすると採択率が高まります。
ホームページではフリーワード検索もできます。そのため例えばAIを用いた画像処理技術を導入したい場合「AI 画像処理」と検索すると、似たような採択事例が見つかります。採択された事例をもとに、審査に通過できる事業計画書を作成しましょう。
ものづくり補助金の申請サポートはFDWORK
ものづくり補助金の概要を理解しても、審査にクリアしなければ絵に描いた餅です。ものづくり補助金の審査項目・加点項目は多数あり、それら全てを事業計画書に盛り込む必要があります。実際やってみるとわかりますが、審査項目・加点項目を盛り込んだ事業計画書作りは難易度が高いです。
そのためFDWORKのような支援会社に、事業計画書作りを依頼することをおすすめします。FDWORKではヒアリングをもとに事業計画書を作るので、御社がかかる時間は10時間程度です。事業計画書作りはプロに任せて、新規事業に集中しましょう。
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