事業再構築補助金の審査項目を審査通過率100%の認定支援機関が徹底解説

事業再構築補助金の審査項目解説アイキャッチ

事業再構築補助金の審査項目について詳しく知りたい

事業再構築補助金の審査に通過するためには、審査項目について詳しく知らなければなりません。審査項目の内容を事業計画書に反映しなければ、審査に高確率で落ちてしまいます。

本記事では、事業再構築補助金の審査項目について、事業再構築補助金の認定経営革新等支援機関でもあるFDWORK代表山本が解説します。FDWORKはこれまで事業再構築補助金の審査通過率100%を誇っています。審査項目についてもどこよりも詳しく把握していますので、ぜひ参考にしてください。

なお本記事は、中小企業庁の事業再構築補助金公募要領(第11回)をもとに執筆しています。より詳しい内容を知りたい方は、公募要領をご確認ください。また本記事の内容は、事業再構築補助金の成長枠について記載しています。グリーン成長枠などその他の枠については、公募要領をご覧ください。

▼この記事を読んでわかること

◎事業再構築補助金の審査項目にはどんなものがあるのか

◎審査項目をクリアするためのコツ

◎事業再構築補助金の審査をクリアした事例

目次

事業再構築補助金の審査項目とは

事業再構築補助金の公募要領には、以下の審査項目が記載されています。

  1. 補助対象事業としての適格性
  2. 事業化点
  3. 再構築点
  4. 政策点

これらの審査項目には、それぞれ詳しく記載すべき内容があります。そしてこの審査項目は、すべて事業計画書に盛り込まなければなりません。審査項目が事業計画書にない場合、審査に落ちる可能性が高くなります。

そのため事業再構築補助金の審査に通過するためには、審査項目について詳しく理解しておく必要があります。これから事業再構築補助金に挑戦する方は、それぞれの審査項目について理解しておきましょう。

事業再構築補助金の審査項目4点

事業再構築補助金の審査項目には、以下の4点があります。

  1. 補助対象事業としての適格性
  2. 事業化点
  3. 再構築点
  4. 政策点

それぞれの項目について詳しく解説していきます。

補助対象事業としての適格性

「4.補助対象事業の要件」を満たすか。補助事業終了後3〜5年で付加価値額を年率平均 3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上の増加等を達成する取組みであるか。 

補助対象事業の要件は、成長枠・グリーン成長枠など事業類型によって異なります。1番多く利用される成長枠の場合、以下のような要件が定められています。

① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】 

② 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。補助金 額が 3,000 万円を超える案件(卒業促進枠又は大規模賃金引上促進枠に合わ せて申請する場合は、合算で補助金額が 3,000 万円を超える案件)は認定経 営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれ ば当該金融機関のみでも可)の確認を受けていること【認定支援機関要件】

③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 4.0%以上増加、又は従業員 一人当たり付加価値額の年率平均 4.0%以上増加する見込みの事業計画を策 定すること【付加価値額要件】

④ 取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡 大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】

⑤ 事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること【給与総額増加要件】 ※成長枠は、卒業促進枠、大規模賃金引上促進枠のいずれかに同時に申請するこ とが可能です。

これから新しく始める事業では、これらの要件を満たしている必要があります。事業類型によって条件は異なりますので、難しければFDWORKにご相談ください。

また付加価値額とは、「営業利益+人件費+減価償却費」のことを指します。売上・利益が伸びる計画であれば、年率平均3.0%~5.0%以上を達成できることが多いです。逆に達成見込みが難しい場合、計画自体を見直すことを考えた方がいいでしょう。

事業化点

① 補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場 ニーズの有無を検証できているか。

② ターゲットとするマーケットにおける競合他社の状況を把握し、競合他社の製品・サー ビスを分析し、自社の優位性が確保できる計画となっているか。特に、価格・性能面での 競争を回避し継続的に売上・利益が確保できるような差別化戦略が構築できているか(オ ープン/クローズ戦略等を通じた知財化戦略や標準化戦略による参入障壁の構築、研究開 発やブランディング・標準化を通じた高い付加価値・独自性の創出、サプライチェーンや 商流の上流・下流部分を自社で構築するなど他社が模倣困難なビジネスモデルの構築、競 合が少ない市場を狙うニッチ戦略等)。

③ 事業化に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できているか。また、事業化に至る までの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か。

④ 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状 況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な 資金の調達が見込めるか。※複数の事業者が連携して申請する場合は連携体各者の財務状 況等も踏まえ採点します。 

例えば、②の「競合他社の状況を把握し、競合他社の製品・サー ビスを分析し、自社の優位性が確保できる計画となっているか。」という項目の場合

  • 競合他社の設定
  • 競合他社の分析
  • 競合に対する自社の優位性は何か?

等を事業計画書に書く必要があります。

また全体を通して重要なのは、「ちゃんと儲かりそうか」という点です。国としては補助金を出すからには、ちゃんと利益を出してもらって税金を納めてもらう必要があります。そのためしっかりと利益を出すことを大前提として、伝える必要があることを頭に入れておきましょう。

事業戦略を客観的に書く必要があるので、社長だけで考えると煮詰まってしまうことが多いです。FDWORKのような支援会社では、他の企業の事例や環境の変化も踏まえて事業計画書を書きます。自社で難しい場合は、ぜひご相談ください。

再構築点

① 自社の強み、弱み、機会、脅威を分析(SWOT 分析)した上で、事業再構築の必要性が 認識されているか。また、事業再構築の取組内容が、当該分析から導出されるものである か、複数の選択肢の中から検討して最適なものが選択されているか。

② 事業再構築指針に沿った取組みであるか。特に、業種を転換するなど、リスクの高い、 大胆な事業の再構築を行うものであるか。※複数の事業者が連携して申請する場合は、連 携体構成員が提出する「連携体各者の事業再構築要件についての説明書類」も考慮し採点 します。

③ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規 模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウ ハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、 効果的な取組となっているか。

④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプラ イチェーンのイノベーションに貢献し得る事業か。

⑤ 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の 経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。 

例えば③の「既存事業とのシナジー効果が期待されること」という内容がありますが、事業再構築補助金の前提は「既存事業とは異なる新しい事業を開始すること」です。つまり通常ではシナジーをアピールするのは難しいです。しかし、何かしらのシナジー効果があるということを書かないと、この項目で良い点数が貰えません。このあたりは事業計画書の書き方にコツがあるので、難しければFDWORKにご相談ください。

全体を通して重要なのは、「事業の再構築が本当に必要な状況か。再構築と言えるだけの誰が見ても新しい内容か。世の中的に革新的に見えるか」ということです。革新的過ぎて夢を追うだけの内容になると、前述の「ちゃんと儲かりそうか」と矛盾するので注意が必要です。理想と現実を両方見据えた事業計画書を作りましょう。

政策点

① ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見 込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すことに 資するか。

② 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の 活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。

③ 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。

④ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格 な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有 しているか。

⑤ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果 を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を 牽引する事業となることが期待できるか。 ※以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮いたします。 

○地域未来牽引企業 (https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html)

○地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画(https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/miraitoushi/jigyou.html)

⑥ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供 するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大 学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。

事業化点、再構築点の内容と似ている項目もありますが、政策点の部分では改めて言及することをおすすめします。

例えば②「先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。」という内容がありますが、「デジタル技術も低炭素技術も重要な技術の活用も無い」として、これに対する記載を何も書かないような場合は点数が悪くなります。ここには「等を通じて」という記載があるので、この3つだけではなく経済成長を牽引できるのであれば、書ける内容が見つかります。

FDWORKでは、このように審査項目を詳しく精査しています。そして事業計画書は、審査項目をすべて盛り込んで作成します。これまで100%の審査通過率を誇っていますので、事業再構築補助金の審査に通過したい方は、ぜひFDWORKにご相談ください。

事業再構築補助金に採択された事例

FDWORKでは、これまで4年間で250件を超える補助金申請をサポートしてきました。その中から事業再構築補助金に採択された事例を2社紹介します。これから事業再構築補助金に挑戦しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

エールテック株式会社

事業再構築補助金採択事例

会社名:エールテック株式会社

業界・業種:ホテル・商業施設の設計・デザイン

補助金申請した事業:富裕層向け住宅・施設のプロデュース

補助金の金額:約1,200万円

ホテル・商業施設の設計・デザインをおこなうエールテック株式会社。新たに富裕層向け住宅・施設のプロデュースの事業を始める際に、事業再構築補助金を利用しました。

事業再構築補助金に採択されるためには、どのように事業を成功させるかのストーリー構築が必要です。以前は曖昧だった事業計画をブラッシュアップすることで、無事事業再構築補助金に採択されました。審査項目で言うと、主に事業化点・再構築点を客観的にまとめた点が、評価されるポイントになったと思います。

エールテック株式会社の詳しい採択事例は、以下の記事で詳しくまとめています。よろしければこちらも参考にしてください。

株式会社ハピセ

事業再構築補助金採択事例

会社名:株式会社ハピセ

業界・業種:自動車販売・修理・車検

補助金申請した事業:自動車工場向けソフトウェア開発

補助金の金額:約4,000万円

広島県で自動車販売・修理・車検の事業をおこなう株式会社ハピセ。自動車工場向けにソフトウェア開発をする際に、事業再構築補助金を利用しました。

自動車工場向けという新分野展開のために補助金を申請し、無事採択されました。これまではtoC向けのビジネスでしたが、新たにtoB向けのビジネスをする際に、事業再構築補助金を利用した事例です。再構築点③「既存事業とのシナジー効果が期待されること」などは、工夫して事業計画書を書かなければ、審査に通らなかったでしょう。

株式会社ハピセの詳しい採択事例は、以下の記事で詳しくまとめています。よろしければこちらも参考にしてください。

事業再構築補助金の審査項目をクリアするコツ

事業再構築補助金の審査項目・成功事例をもとに、審査項目をクリアするためのコツをまとめました。

  • 審査項目をしっかり理解する
  • 主観的でなく客観的な視点で見る
  • 取引先や第三者の協力を得る
  • 他社の採択事例を参考にする

それぞれ詳しく解説していきます。

審査項目をしっかり理解する

審査項目は全て、事業計画書に反映させなければなりません。そのため多数ある審査項目を全て理解しておく必要があります。それぞれの審査項目について、自社の新規事業が当てはまるかどうか、1つ1つ確かめてみましょう。

そして実際やってみるとわかるのですが、自社だけで全ての審査項目を理解する難易度は高いです。しかし「自社では審査項目をクリアできないと思っていたが、プロから見るとクリアできる」そんな状況も多々見受けられます。審査項目の理解が難しければ、一度FDWORKにご相談ください。プロのサポートがあれば、審査に通ることも多々ありますよ。

主観的でなく客観的な視点で見る

事業計画書は主観的でなく、客観的な視点で書く必要があります。「これまでの経験から新規事業はうまくいきます」と言われても、審査員は納得しません。

事業計画書を書くときは「〇〇というデータから市場が毎年10%伸びている。自社の〇〇という強みがこの市場では活きるから、新規事業はうまくいく」のような客観的な視点が重要です。事業計画書を書くときには、主観的でなく客観的な視点を大切にしましょう。

取引先や第三者の協力を得る

事業再構築補助金の事業計画書は、自社だけで完成させる難易度が高いです。そのため取引先や第三者の協力を得ることをおすすめしています。

例えば市場分析などは、支援会社の方が得意なことが多いです。事業計画書作りは第三者であるプロにまかせて、自社では新規事業作りに集中する。こうした体制を作ることで、事業の成功確率が高まります。

他社の採択事例を参考にする

事業再構築補助金のホームページでは、他社の採択事例が紹介されています。事業計画書も公開されていますので、参考にすると採択率が高まります。

また弊社FDWORKでは、さまざまな業種の事業再構築補助金採択事例があります。これまでの経験をもとに最適な事業計画書を作成しますので、お気軽にご相談ください。

事業再構築補助金の審査項目をクリアするならFDWORK

事業再構築補助金の審査項目は多数あり、それら全てを事業計画書に盛り込む必要があります。実際やってみるとわかりますが、審査項目を全て盛り込んだ事業計画書作りは難易度が高いです。

そのためFDWORKのような支援会社に、事業計画書作りを依頼することをおすすめします。FDWORKではヒアリングをもとに事業計画書を作るので、御社がかかる時間は10時間程度です。事業計画書作りはプロに任せて、新規事業に集中しましょう。

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この記事を書いた人

事業再構築補助金とものづくり補助金の申請サポートのプロフェッショナル。4年間で250件以上の申請サポートを実施し、採択率100%を誇ります。中小企業診断士の資格保有。事業再構築補助金の認定経営革新等支援機関です。

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