中小企業省力化投資補助金とは?概要・申請フロー・審査通過のコツを解説

中小企業省力化投資補助金アイキャッチ

「中小企業省力化投資補助金の概要を知りたい」

「中小企業省力化投資補助金を活用したいが、何をすればいいかわからない」

2023年3月に公式ホームページが公開され、徐々に全容が明らかになってきた中小企業省力化投資補助金。しかし公式ホームページや公募要領を見ても、何をすればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、中小企業省力化投資補助金について、補助金支援会社FDWORK代表山本が解説します。FDWORKはこれまで様々な補助金申請をサポートし、高い採択率を誇っています。中小企業省力化投資補助金についても詳しく把握していますので、ぜひ参考にしてください。

なお本記事は、中小企業省力化投資補助事業の公募要領をもとに執筆しています。より詳しい内容を知りたい方は、公募要領をご覧ください。

▼この記事を読んでわかること

◎中小企業省力化投資補助金の概要

◎中小企業省力化投資補助金に応募する流れ

◎中小企業省力化投資補助金の審査に通過するコツ

目次

中小企業省力化投資補助金の概要

中小企業省力化投資補助金の目的は、「中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等に対して、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を補助することにより、簡易で即効性がある省力化投資を促進し、中小企業等の付加価値額や生産性向上を図るとともに、賃上げにつなげることを目的とします。」と明記されています。

人手不足に悩む中小企業等に対して、人手不足を解消するための製品を導入するための補助金と言えます。ここからは中小企業省力化投資補助金の概要を詳しく解説していきます。

基本要件

中小企業省力化投資補助金を受け取るためには、以下の概要を満たす事業計画書を作成する必要があります。

① 労働生産性の向上目標

本事業において交付申請を行う中小企業等は、補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組 まなければならない。

② 賃上げの目標

申請時と比較して、 (a)事業場内最低賃金を 45 円以上増加させること、(b)給与支給総額を 6%以上増加さ せることの双方を補助事業期間終了時点で達成する見込みの事業計画を策定した事業者は、補助上限額 を(1)の表中括弧内の額に引き上げる。ただし、申請時に賃金引き上げ計画を従業員に表明していることが必要である。

また補助対象になるためには、以下の全ての要件を満たす必要があります。

(1)導入する省力化製品に紐付けられた業種のうち少なくとも1つ以上が、補助事業者の営む事業の業種と合致 すること。 

(2)カタログに登録された価格以内の製品本体価格・導入経費を補助対象として事業計画に組み込むこと。 なお、補助額の範囲外で、自費により経費を追加することは認められる。 

(3)公募要領2-1.(2)①に記載する労働生産性の向上目標を設定し、その実現に向けて取り組むこと。 

(4)(補助上限額の引き上げを行う場合、)公募要領2-1.(2)②に記載する賃上げの目標を設定し、その計画を従業員 に対して表明するとともに、その実現に向けて取り組むこと。 

(5)省力化製品を登録されている業種・業務プロセス以外の用途に供する事業ではないこと(公募要領3-2.(3)①参 照)。 

(6)労働生産性の向上に係る目標を合理的に達成することが可能な事業計画に沿って実施されること(公募要領3-2. (3)②参照)。 

(7)効果報告期間が終了するまでの間、省力化製品の導入を契機として、自然退職や自己都合退職によらない 従業員の解雇を積極的に行わないこと(公募要領3-5.(1)参照)。 

(8)(補助額が500万円を超える場合)公募要領3-2.(4)に記載する保険への加入を行うこと。

 (9)既に所有する製品の置き換えを行うものでは無いこと。 

(10)GビズIDプライムを取得していること。 

以上の内容を要約すると、以下のようになります。

  • 省力化製品に紐づく業種であること
  • 労働生産性が向上する事業計画書を作成すること
  • 事業計画書に賃上げ目標を策定し、従業員に表明すること

「自社が中小企業省力化投資補助金の対象になるのか」「労働生産性・賃上げに関して、どのように事業計画書に盛り込めばいいのか」こうした疑問をお持ちの方は、ぜひ一度FDWORKにご相談ください。

対象者

中小企業省力化投資補助金の対象となる中小企業者は、下記表の数字以下となっている会社もしくは個人です。

業種資本金従業員数(常勤)
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 
5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造 業並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円300人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

業種ごとに資本金・従業員数の要件が定められています。資本金・従業員数が表を下回っている場合、中小企業省力化投資補助金の申請を検討しましょう。

補助額・補助率

中小企業省力化投資補助金の補助額は、以下のように定められています。

従業員数補助上限額
5名以下200万円(300万円)
6~20名以下500万円(750万円)
21名以上1,000万円(1,500万円)

※賃上げ要件を達成した場合()内の値に補助上限額を引上げ

また補助率は、いずれの場合も1/2以下と定められています。

対象となる製品

中小企業省力化投資補助金で購入の対象となる製品は、カタログに掲載された製品のみです。カタログ掲載をするためには、各分野の工業会によるカテゴリ登録が必要で、2024年4月19日時点では、以下のカテゴリが登録されています。

  • 券売機
  • 自動精算機
  • 自動チェックイン機
  • スチームコンベクションオーブン
  • 無人搬送車
  • 検品・仕分システム
  • 自動倉庫
  • 清掃ロボット
  • 配膳ロボット

登録されているカテゴリ、製品については、順次公式ホームページで更新されていきます。最新版を確認したい方は、公式ホームページ内の「承認カテゴリ一覧」というPDFファイルをご覧ください。

中小企業省力化投資補助金のフロー

中小企業省力化投資補助金は、以下のようなフローで進んでいきます。

  1. 工業会による製品カテゴリ登録要請
  2. 製造事業者又は国内総代理店による事業者登録申請+製品登録申請
  3. 販売事業者の登録申請+省力化製品の提案
  4. 中小企業+販売事業者による交付申請

それぞれのフローについて、詳しく解説していきます。

Step1.工業会による製品カテゴリ登録要請

中小企業省力化投資補助金は、まず工業会によるカテゴリ登録申請からスタートします。製品をカタログに登録するためには、まずその製品のカテゴリが登録されていなければなりません。そのためカテゴリがされていない場合、各工業会に働きかけをする必要があります。

Step2.製造事業者又は国内総代理店による事業者登録申請+製品登録申請

工業会によって製品カテゴリ登録が完了したら、国内の製造事業者又は海外製の場合は国内総代理店にて、事業者登録申請と製品登録申請を行います。ここでは、製品概要説明、保守サポート体制、省力化指標など、様々な情報を登録申請していきます。

ちなみにこの時、単に登録すれば良いというものではなく、しっかり審査員に分かりやすく説明していく事が大切です。製品登録時に高い評価が得られれば、カタログ掲載順位などに影響する可能性が高いです。

FDWORKでは、カタログに商品を登録したい国内の製造事業者又は海外製の場合は国内総代理店のサポートも実施しております。詳しくは下記ページをご覧ください。

Step3.販売事業者の登録申請+省力化製品の提案

カタログに製品が登録されたら、製品を販売するための販売事業者登録をおこないます。なお、製造事業者が販売事業者を兼務することも可能です。中小企業は、販売登録された販売事業者からしか、製品を購入できません。

FDWORKでは、販売事業者のサポートも実施しております。詳しくは下記ページをご覧ください。

Step4.中小企業+販売事業者による交付申請

中小企業省力化投資補助金を利用したい中小企業は、カタログから製品を選び、販売事業者から製品購入手続きを進めます。その際、中小企業と販売事業者が共同で事業計画書を作成し、共同で交付申請を実施します。

FDWORKでは、事業計画書の作成サポートも実施しています。どんな事業計画書を作ればいいか悩んでいる中小企業の方は、お気軽にお問い合わせください。

どんな企業が中小企業省力化投資補助金に向いているか

中小企業省力化投資補助金は、カタログに登録された製品購入を対象とした補助金です。言い換えれば「カタログに登録された商品を安く購入できるチャンス」とも言えます。そのため中小企業省力化投資補助金の利用を考えている企業の方は、まずカタログをチェックしてみましょう。そこでカタログにほしい製品が掲載されていれば、中小企業省力化投資補助金の利用をおすすめします。

例えば以下のような企業であれば、中小企業省力化投資補助金の利用に向いている可能性があります。

  • 券売機・自動精算機を導入したい小売業・店舗
  • 自動チェックイン機を導入したいホテル・旅館
  • 検品・仕分システムを導入したい製造業者
  • 配膳ロボットを導入したいレストラン

まずはカタログをチェックして、自社に必要な製品があるかどうかを確認してみましょう。

中小企業省力化投資補助金の審査に通過するコツ

ここまでの内容を踏まえて、中小企業が、中小企業省力化投資補助金の審査に通過するコツをまとめています。

  • 販売事業者と連携して事業計画書を作成する
  • 製品導入の効果を論理的に説明する

それぞれ詳しく解説していきます。

販売事業者と連携して事業計画書を作成する

中小企業省力化投資補助金を申請する際は、カタログから製品を選択し、販売店と連携して事業計画書を作成します。そのため販売事業者とのやりとりが、必ず発生します。ただし事業計画書作成に販売事業者がどこまで関わってくれるかは、販売事業者によります。

そのため事業計画書の作成が不安であれば、FDWORKのような補助金申請支援会社への相談をおすすめします。補助金申請に慣れている支援会社があれば、販売事業者とのやりとり・事業計画書の作成はスムーズに実施できますよ。

審査員にわかりやすい事業計画書を作成する

中小企業省力化投資補助金の審査では、以下の点が着眼点とされています。

(1)事業計画に記載の省力化の効果が合理的に説明されており、省力化への投資により高い労働生産性の向上が期待できるかどうか。また、既存業務の省力化により新しい取組を行う・高付加価値業務へのシフトを行うなど、 単なる工数削減以上の付加価値の増加が期待できるか。

 (2)大幅な賃上げによる補助上限額引き上げの適用を含め、賃上げに積極的に取り組んでいる、あるいは取り組む 予定であるかどうか。

  • 製品導入の効果を論理的に説明する
  • 労働生産性がどのくらい向上するか
  • 工数削減以上の付加価値増加が見込めるか
  • 賃上げに取り組むか

このような内容を事業計画書に盛り込む必要があります。しっかりと数字で説明できないと、審査に落ちる可能性は高いです。もし論理的な事業計画書に不安があるという方は、ぜひ一度FDWORKにご相談ください。

中小企業省力化投資補助金の相談はFDWORKへ

中小企業省力化投資補助金の概要を理解しても、審査にクリアしなければ絵に描いた餅です。中小企業省力化投資補助金は要件が多く、申請するだけでも難易度が高いです。そして事業計画書には、審査員が納得するような論理的な構成が必要です。実際にやってみるとわかりますが、それらはとても難易度が高いです。

そのためFDWORKのような支援会社に、事業計画書作りを依頼することをおすすめします。FDWORKではヒアリングをもとに事業計画書を作るので、御社がかかる時間は10時間程度です。事業計画書作りはプロに任せて、新規事業に集中しましょう。

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この記事を書いた人

事業再構築補助金とものづくり補助金の申請サポートのプロフェッショナル。4年間で250件以上の申請サポートを実施し、採択率100%を誇ります。中小企業診断士の資格保有。事業再構築補助金の認定経営革新等支援機関です。

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