経営展開サポート助成金とは?概要・審査通過のコツを解説
「経営展開サポート助成金の概要を知りたい」
「経営展開サポート助成金を活用したいが、何をすればいいかわからない」
令和6年4月からスタートした東京都の経営展開サポート助成金(正式名称:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業)。助成対象となる経費が多く、毎月募集がされることから、人気の助成金になりつつあります。
本記事では、経営展開サポート助成金について、補助金支援会社FDWORK代表山本が解説します。FDWORKはこれまで様々な補助金申請をサポートし、高い採択率を誇っています。経営展開サポート助成金についても詳しく把握していますので、ぜひ参考にしてください。
なお本記事は、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の公募要領をもとに執筆しています。より詳しい内容を知りたい方は、公募要領をご覧ください。
◎経営展開サポート助成金の概要
◎経営展開サポート助成金はどんな企業におすすめなのか
◎経営展開サポート助成金の審査に通過するコツ
経営展開サポート助成金の概要
経営展開サポート助成金の目的は、以下に記載されています。
中小企業は、コロナ後の需要回復や消費者ニーズの変化への即応が喫緊の課題となっています。一方、エネルギー、原材料価格や人件費の高騰が長期化しており、課題が山積しています。このため、中小企業の創意工夫を活かして、既存事業を深化・発展させる計画を作成した場合に各種支援を展開することで、都内中小事業者の経営基盤を強化することを目的としています。
つまり既存事業を深化・発展させる計画であれば、助成金が受け取れる可能性があります。経営展開サポート助成金について、詳しく解説していきます。
基本概要
経営展開サポート助成金の対象となる取り組みとして、以下のような事例が紹介されています。
項目 | 取組例 |
既存事業の 「深化」 | 経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業自体の質を高めるための取組 ・高性能な機器、設備の導入等による競争力強化の取組 ・既存の商品やサービス等の品質向上の取組 ・高効率機器、省エネ機器の導入等による生産性の向上の取組 |
既存事業の 「発展」 | 経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業を基に、新たな事業展開を図る取組 ・新たな商品、サービスの開発 ・商品、サービスの新たな提供方法の導入 ・その他、既存事業で得た知見等に基づく新たな取組 |
例えば工場に高性能な機械を導入する場合は既存事業の深化、店舗で実施していたヨガ教室をオンライン化する場合は既存事業の発展と捉えられます。一方で製造業の会社が飲食店を始めるなど、関連性の薄い事業に取り組む場合は、助成金対象外となります。
このことから、経営展開サポート助成金は以下のような使い方が想定されます。
- 新しい機械設備を購入する
- 既存事業の技術をもとに新しい商品を開発するための原材料・設備を購入する
- オフラインの事業をオンライン化するための設備を購入する
対象となる範囲は広いので、新規事業を実施する際は、ぜひ利用を検討したい助成金と言えます。
対象者
経営展開サポート助成金の主な条件は、以下の通りです。
・都内の中小企業者で、大企業が実質的に経営に参画していないこと。中小企業者に該当する法人は、以下の数字を満たしていること
業種 | 資本金及び従業員 |
製造業、情報通信業(一部はサービス業に該当)、建設業、運輸業、その他 | 3億円以下又は300人以下 |
卸売業 | 1億円以下又は100人以下 |
サービス業 | 5,000 万円以下又は 100 人以下 |
小売業 | 5,000 万円以下又は 50 人以下 |
飲食業 | 5,000 万円以下又は 50 人以下 |
・令和6年4月1 日時点で、本店(実施場所が都内の場合は支店でも可)の登記が都内にあること
・直近決算期の売上高が、「2019 年の決算期以降のいずれかの決算期」と比較して減少している、又は直近決算期において損失を計上していること
会社の規模・本店、支店の所在地、売上による条件を満たしていれば、経営展開サポート助成金を受け取る対象となります。
補助額・補助率
経営展開サポート助成金の補助額は最大800万円、補助率は対象経費の2/3以内と定められています。つまり1,200万円の経費に対して、800万円補助を受けるのが最大となります。
対象となる経費
経営展開サポート助成金の対象となる経費は、以下の通りです。
経費区分 | 上限額 | 単独申請 |
原材料・副資材費 | ー | 〇 |
機械設置・工具器具費 | ー | 〇 |
委託・外注費 | ー | △(※1) |
産業財産権出願・導入費 | ー | 〇 |
規格等認証・登録費 | ー | 〇 |
設備等導入費 | ー | 〇 |
システム等導入費 | ー | 〇 |
専門家指導費 | ー | ✖ |
不動産賃借料 | ー | 〇 |
販売促進費(※2) | 200万円 | ✖ |
その他経費 | 100万円 | ✖ |
※1 委託・外注費のうち「市場調査費」だけでの申請はできません。
※2 販売促進費は、既存事業に係る販売促進については対象外となります。
機械やシステム導入費がメインとなることが多そうですが、不動産賃借料や販売促進費も申請できる点が注目です。
申請方法とスケジュール
令和6年4月に実施された第1回経営展開サポート助成金では、以下のようなスケジュールでした。
申請受付期間:令和6年4月1日(月)~令和6年4月15日(月)
書類審査:令和6年5月
面接審査 :【いずれか1日、1時間程度】 令和6年6月5日(水)~令和6年6月7日(金)
交付決定日:令和6年6月下旬予定
アドバイザー派遣:任意:交付決定日以降、助成事業者が希望する日 必須:完了検査とあわせて実施 。
助成対象期間は、交付決定日から1年間です。この期間内に契約・実施・支払が完了する経費が助成対象になります。
また経営展開サポート助成金の募集予定は、以下のように記載されています。
令和7年3月までは毎月募集が予定されています。ただし予算の都合で早めに打ち切られる可能性があるので、興味のある方は早めの申請をおすすめします。
どんな企業に経営展開サポート助成金はおすすめなのか
経営展開サポート助成金は、以下のような企業におすすめです。
- 東京都に本店又は支店がある
- 新しい設備投資が必要
- 既存事業を活かした新規事業を始める
東京都に本店又は支店があれば、対象となる経費の範囲が広いので使いやすい助成金です。東京都にある会社の方は、ぜひ一度検討してみてください。
経営展開サポート助成金の審査に通過するコツ
これまでの内容を踏まえて、経営展開サポート助成金の審査に通過するコツをまとめています。
- 公募要領・審査項目を理解する
- 面接対策をする
- プロの支援を受ける
それぞれ詳しく解説していきます。
公募要領・審査項目を理解する
経営展開サポート助成金の公募要領には、審査の視点として以下の記載があります。
- 発展性(既存事業の深化・発展に資する取組か)
- 市場性(ポストコロナ等における事業環境の変化前後の市場分析は十分か)
- 実現性(取り組むための体制は整っているか)
- 優秀性(事業者としての創意工夫、今後の展望はあるか)
- 自己分析力(自社の状況を適切に理解しているか)
市場自体が今後伸びるのか、計画は実現できるのか、競合に比べて優れているのかなどを申請書にまとめなければなりません。公募要領を詳しく読み込み、どうすれば審査に通過できるかを把握しておく必要があります。
面接対策をする
申請書の審査に通過したら、その後専門家による面接審査があります。面接への出席は、事業者の代表者、役員・従業員に限り、最大2名まで認められています(顧問や経営コンサルタント等の同席、代理出席等はできません。)また、面接会場へは電子機器類(録音が可能な機器、 撮影機器、デジタルカメラ等)の持ち込みはできません。
つまり面接に出席する人は、申請書の内容を把握して、受け答えできる状態にしておかなければなりません。面接は申請書の内容に基づいて実施されるので、あらかじめどんな質問がされるかを考え、面接対策を実施することをおすすめします。
プロの支援を受ける
経営展開サポート助成金を受け取るためには、書類審査・面接審査を通過しなければなりません。そしてそれを1から作ろうと思うと、かなりの労力がかかります。経営展開サポート助成金の申請書には、以下のような内容を記載する必要があります。
- 自社を取り巻く環境に係るSWOT分析
- 事業に取り組んだ効果予測(売上や集客の増加など)
- 市場・顧客・競合他社の分析
- それを踏まえた自社の優位性
これらの書類を完成させるだけでも、かなりの時間がかかります。助成金を受け取る本来の目的は、既存事業を伸ばすことにあります。書類制作や面接対策はプロに任せて、本業の取組に時間を使ったほうが、結果的に事業は伸びる可能性が高いです。
経営展開サポート助成金の申請サポートはFDWORKへ
弊社FDWORKでは、これまで4年間で250件以上の類似補助金申請支援を実施し、100%の採択率を誇っています。FDWORKに申請サポートをお任せいただければ、御社が必要な時間は10時間程度。書類制作・必要書類の指示・面接対策など、面倒な点はすべて弊社で実施します。経営展開サポート助成金を受け取りたいと考えている企業の方は、ぜひ一度FDWORKにご相談ください。
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